mruby を使ってワンバイナリで Serverspec のテストを実行可能にするツール "sssspec" を作った
ながすぎる;よんでない
リポジトリは以下にあります。
- 本体
- 関連 mrbgems
以下のように spec を書いて…
def __main__(argv) describe file('mrblib') do it { should be_readable.by('yourgroup').by_user('you') } end end
sssspec をビルドして…
$ rake
生成されたバイナリひとつで spec を実行することができます
$ ./sssspec . Total: 1 OK: 1 KO: 0 Crash: 0 Time: 0.16 seconds
背景
Serverspec はプロセスの起動やパッケージのインストール状態、パッケージの存在確認などサーバの状態をテストするのに有用なツールです。
しかしながらこれをローカル実行するには当然 Ruby 処理系や関連 gem をインストールしておく必要があります。Serverspec の為だけに Ruby を導入する必要が出て来る場合、これはちょっとした障壁となると思われます。 また Serverspec は ssh 経由でリモート実行もできますが、構成上、自動化したい際はデプロイツールの都合、社内ルールの問題で利用できない可能性があります(と、ぼくは思ってるんですが、実際のところそういった制約はどの程度あるのだろう)
Serverspec の導入障壁を減らしたいと考えた僕は、 mruby-cli を利用してワンバイナリで実行可能にした Itamae であるところの MItamae を参考になんとかすることにしました。 そうだ、 mruby 、やろう。
構成など
必要なものたち
mruby で Serverspec を実行するために最低限必要なものは、以下のものと思われます。
これらのうち、 “Specinfra の mrbgem” については @k0kubun さんによって作られた mruby-specinfra が利用できそうです。 というわけで残り 3 コンポーネントを自前で用意することにしました。
mruby-rspec
mruby-rspec は mruby で RSpec を実行可能にする mrbgem です。
経緯の話をすると、当初は Ruby 向けの rspec-core などを mruby 向けに作り直そうと試みたのですが、 RSpec の既存資産がなかなか大きく、 mruby 向けに改修していく作業の途中で心が折れてしまいました。 現在は、限られた機能のみ mruby 向けに移植している(途中だったらしい) sagmor/mruby-spec をベースに mrbgem を実装しています。
mruby-rspec は未だかなり機能が少ないため、本記事の “sssspec” をまともに使い倒して行こうとすると、もう少し機能追加が必要なものと思われます。
mruby-serverspec
mruby-serverspec は本家 Serverspec の matcher, type をほぼ使いまわしで構成した mrbgems です。 ssh 経由でのリモート実行など一部のロジックは削っております。
この辺りは本家 Serverspec のコードを引っ張り出して無理やり mrbgems 化して、動かない箇所を片っ端から修正していくという大変泥臭い作業をして構成しました。
sssspec
sssspec は mruby-cli ベースのテンプレートを修正し、かつこれまで紹介した mrbgems を組み合わせて実現した、ワンバイナリで spec 実行可能なツールです。 実装は 9 割くらい mruby-cli のテンプレそのままで、あり解説すべき点は特に無いので省きます。 ちなみに名前は rrrspec を意識し、 “Single Shot ServerSpec” の略としています。
今後の展望
ひとまず動くところまで作りたかったので、 sssspec と周辺 mrbgems はかなり大雑把な作りになっています。まずは全体的にもう少しリファクタリング等していきたいです。
また現状 mruby-rspec の機能が少ないせいで実用に耐えない気がしています。個人的には少なくとも、 shared_examples が無いと辛いなと思っております。従ってそのあたりの RSpec 便利機能を mruby-rspec にも実装していきたいと思っております。
本記事と関係のない余談
ルビィの話書いてて思い出したんですが、 秋からラブライブ!サンシャイン!! の二期が放映開始されますね! ちなみに僕は渡辺曜ちゃんが好きです。