ブログ・ア・ラ・クレーム

技術的なメモとかライフログとか。

ATSのドキュメント翻訳活動とその周辺

このエントリーは、 Doc-ja Advent Calendar 2013 の 17日目の記事として書いています。 前日の担当者は、@okano_t さんです。

どうもこんにちは、 @syu_cream です。

主に、最近やっている Apache Traffic Server のドキュメント翻訳についてつらつらと書いてゆきます。 翻訳作業に着手して3ヶ月程度しか経過しておらず、まだまだ初心者の域を脱せていないと思うのですが、何か参考になることがあれば幸いです。

Apache Traffic Server is 何

Apache Traffic Server (以下、ATS)は、オープンソースの高性能 HTTP キャッシュプロキシサーバです。 元々は Yahoo!(米社) が自社で使用していたキャッシュサーバがOSS化されたもので、現在は Apache の Top level projects の一つとして開発が進められています。 使用している企業として、Yahoo! や Taobao 、LinkedIn、国内では Yahoo! JAPAN や pixiv が挙げられます。
また、類似する機能を持つソフトウェアに、 nginx, Squid, Vernish などが存在します。 (これらキャッシュサーバの比較については、IIJの記事が纏まっていて良さげです。)

ATSは日本国内ではユーザは少なめなのか、日本語の資料が不足しています。 そこで本家のドキュメントを翻訳し、最低限利用可能な情報を手に入れ易くしたい、という辺りが本活動のモチベーションです。

ATSの翻訳活動について

規模

現在、アクティブな翻訳参加者は 4 人と、小規模な活動となっております。

翻訳のフロー

現在 ATS ドキュメントの日本語化の作業は、Sphinx のドキュメント国際化のフローに則り、GetText の PO(Portable Object) ファイルを編集することで行っております。 PO ファイルの管理やレビューは、 GitHub ベースで行われています。

現在の基本的な翻訳作業のフローは下図の通りになります。 まず前提として、日本語翻訳専用の Organization アカウント(trafficserver-doc-ja)が存在し、このアカウントが本家ATSのリポジトリを fork したリポジトリを持ち、その中に翻訳済みドキュメントを集約するブランチ(doc-ja) を持ちます。 各翻訳者は、このリポジトリを個々で更に fork します。

各翻訳者はまずドキュメント翻訳作業ブランチを切り、手元で PO ファイルを編集することで作業を進めます。 その後、 trafficserver-doc-ja の doc-ja ブランチに Pull-Request を送ります。 これを他の翻訳者がレビューし、不適当な訳文は指摘して修正し、適当になったタイミングでマージを行います。 ある程度ドキュメントの翻訳が進んだら、trafficserver-doc-ja のオーナーとなる翻訳者が本家ATSリポジトリに Pull-Request を送ります。(本家リポジトリへの貢献は現在は計画段階であり、実行するまでには至っておりません)

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翻訳のツール

エディタ


各翻訳者が思い思いのエディタを使います。 ちなみに僕は Vim を使って翻訳作業をしています。

コミュニケーション


基本的なコミュニケーションは IRC 上で行っております。 また、翻訳作業に関する issue などは、GitHub でやり取りします。

レビュー


レビューは GitHub 上で Pull-Request に対してコメントを付けることで行っています。 指定の行にサクッとコメントを付けて良いです。 しかし一方で、長文になると読みにくい、指摘された箇所の原文・訳文対応がパッと見た時に分かりにくいという難点もあります。

翻訳の進捗どうですか?

進捗ダメです! ・・・というほどでは無いとは思います。着々とは進んでいるはず。

しかし未だ、必要最低限の日本語のドキュメントが揃っているとは言いがたい状態です。。。

翻訳作業を通して思い付いた開発ネタ

翻訳作業をしていくうちに、翻訳作業自体の効率化についても興味が湧いてきます。

直近では、Vim 上でPOファイルのシンタックスチェックができるよう、シンタックスチェックプラグインの Syntastic に Pull-Request を投げたりしました。

最近は、poedit 風の編集画面を Vim 上でも使えるようになりたいなーなどと考えております。 えっ Vim を捨てて poedit を素直に使えば良い?そういう手段もあるのか!思い付かなかったぜ!

翻訳活動に関する悩み

  • 英語力が無さ過ぎ て翻訳が難しい・・・
  • ギッハブの Pull-Request ベースのレビューが読みにくくてつらい・・・
  • 編集環境がまだ最適化の余地がある気がする・・・
  • モチベーションの維持が大変・・・

この辺り、アドバイス等お待ちしております!

さいごに

ATSのドキュメント翻訳に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ活動に参加してみてください。 翻訳したドキュメントのPR投げるなり、既に翻訳されているドキュメントの間違いを指摘して頂けるだけでも大助かりです! また、ATS自体に興味を持って触れて頂けたりしても、嬉しく思います。:)

Doc-ja Advent Calendar 2013 18日目の記事は @naru0ga さん担当です。宜しくお願いしますー。